IT業界にピンとこないのは当然だと思う

質疑応答になると,ある記者が選手たちに「日本のIT業界は弱い。ぜひ,君たちのような天才に,業界を変えてほしい」と熱く語りかけたが,当の選手たちは「IT業界」と言われても,全くピンと来ていないようだった。

天才高校生はIT業界を変えられるか? | 日経 xTECH(クロステック)

産業界ではJavaC#が幅を聞かせているような現在において(といいきってしまうとかなり偏っている気もしますが)、C, C++, Pascalでのプログラミングを要求される大会に出場して上位を取ってしまう彼らにしてみれば、ITってなんですか?という状態なんじゃないかと思います。
私の個人的な経験でちょっとITからずれてSEの話になりますが、アマチュアとしてプログラミングを始めた当初UNIXとCを使っていました。で、就職活動時にソフトウェア開発関係の職を探してみたわけですが、そこにはシステムエンジニアとかSEとかいう単語が出てくるわけです。当時の私の知識の範囲内では、ソフトウェアを開発する人といえばプログラマハッカーの2択だったので、SEってなんなんだろうという疑問に突き当たったのを今でも覚えています。一人で開発しているソフトなら全てを自分で行うでしょうから役割分担としてSEが不要なのは当然として、FreeBSDにしろLinuxにしろ何百人か何千人か知りませんが、それなりの数の開発者がいるプロジェクトにも多分存在しないSEというのが何をやっていてどのような必要性があるのか疑問でした。ようするに人間社会に必要不可欠な御用聞きな分けですが。
そんな話はいいとして、ここで私が主張したいのは以下の通りです。

  • 素人用のソフトウェア用語と専門家用のソフトウェア用語には違いがあり、時としてまったく重ならなかったり正反対の意味になったりする。
  • マチュア用のソフトウェア用語とプロフェッショナル用のソフトウェア用語には違いがあり、時としてまったく重ならなかったり正反対の意味になったりする。

例えばハッカーという用語がありますが、これの意味する概念は各利用者により共通でなくなってしまっている事は火を見るより明かです。こういう不統一感とか、それについて相手の背景を推測して言い換えたりとかは、非常に面倒なので個人的には止めて欲しいのですが、世の中私の望む方向には動いてくれないようで。とにかくソフトウェアという分野に絞ってみても、一見通じそうな言葉が全然通じてない事があるかもしれないので、十分注意しましょうというお話でした。